手抜き○○!? –外国語学習の大切さ–
最近、市内のちょっとした道路工事や水道管工事などで、工期を知らせる立て看板に、
総工費○○万円、と書かれているのを見るようになりました。税金を使った公共工事のことを
少しでも市民に分かるようにするために書いているのかな、と思います。
先日同じように、道路わきに立て看があったので見てみると、こう書いてありました。
「手抜き除草 ○月○日」
一瞬、ギョッとするなー、と思ってしまいました。
よく考えれば、「手で抜く」ということですよね。除草剤をまくと、薬害を気にする人がいるため、
「薬品は使用せず、手で抜いた除草なので、安心してください」というメッセージが、おそらく
隠されているのでしょう。
ここにあるのは、まず、言葉の二義性(多義性)ということです。ひとつの言葉が、読み方によって
複数の意味にとれる場合があります。そして言葉には文脈やバックグラウンドがあるということ。
この場面ではこんな意味だろう、という知識が読み手にあるからこそ、言葉は特定の意味を運ぶ
ことができます。
外国語を学ぶときにも、この点が大きく関わってきます。言葉が使われている場面、もっと言えば
背景にある社会や文化を知らないと、いくらでもちぐはぐな理解が起きてしまいます。そういう意味で
外国語学習は、単に言語の学習にとどまらず、様々な学びを伴う総合学習であり、その学びの広さ、
大切さに気付かされるのです。